2012年1月7日土曜日

超マクロ展望 世界経済の真実

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モノを作って売るその利益というのは安いコストで高く売る、この差分である。けれど新興国の台頭などから原材料の高騰や市場の飽和があって、安く作れなくなっている昨今、この経済システム構造はどうゆうん?とか(経済についてはまるで無知なので)、今後の自分の持つ技術の行く先や投入分野はどこ?とか、考えてしまう(こともある)。

以前読んだ「経営戦略を問いなおす」、「戦略不全の論理」では戦後の企業の利益率は低下の一途であり、これは経営者の経営観と方針の短期化、とまりは”人”であると、いうことが書いてあった。
では、経済システム側からみる利益率の低迷の構造についてという意味では、とても興味深くて面白い本だった。(同僚とかにすすめたいくらい)

経済システムが実物経済である場合、その先には市場の飽和がある。そこで新たに利益を得るために金融空間を作り出し金融経済へ以降するが歴史的に見ても崩壊へつながっている。これらは中世のオランダ・スペインの覇権からイタリア(ジェノバ)、イギリス、アメリカと繰り返されてきた。この場合の覇権国は、陸の支配、海の支配、空の支配と、範囲を広げつつ実物経済が飽和すれば金融経済へ経済空間を拡張してきた。そして近年、グローバル化と市場の飽和(そして金融経済はバブルを招く)があって、低成長経済となった。

日本は材料の高騰を技術力でカバーしてきたけれど、限界があるんじゃないのか、これから私たちは利益をどこから得たらよいのか、などと中堅社員としては立ち止まって考えてしまう(ことだってある)。私は技術屋だけれど、単純に技術ドリブンだけでは自分の土台(会社)がゆらぐ。せめてもってもらいたい、私の定年までは。自分の持つ技術を活かした先に活路はあるのか、利益を得るためには何をつくればよいのかを考えながら読んだ本です。
個人的には、材料高騰に対して開発費を抑える技術、製品付加価値をあげて高売りする、というのを考えていたのだけれど。この本の最後にも提示があった。

さまざまな消費財があらゆる領域へと浸透してしまった低成長社会では、欲望を刺激することではもはやなかなか市場は拡大しません。欲望の自由な展開という、80年代から90年代にはやったポストモダン的なスローガンは過去のものになったということですね。これからは逆に、何らかの規制によって付加価値をつけた市場を創設していくということが重要な経済的営為になっていくでしょう。そこでは、規制をいかに市場における価値創出や利潤獲得のための因子として活用できるかが、新しい経済戦略になっていくのです。


陸、海、空の覇権のあとは、ネットをはじめとする情報空間の覇権か?単なる情報やデータを知識かする力か?機械を使って機械ができない人の能力(技術)のパフォーマンスを上げていく、 つまりは人か?などとも思う。
 


超マクロ展望 世界経済の真実

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