2010年12月26日日曜日

パリでメシを食う。

「私、考える時って頭の中に文字が浮かぶのよねえ。たぶん初めにイメージじゃなくて日本語の概念ありきなんだよねえ。」
と、先日のカレー部の会合の時に話したら、
「ええ!?私、文字読めないんで考える時ってイメージだけですよ。反射みたいな。」
「ウチのカミさんもそう。活字だとアタマ痛くなっちゃうけど雑誌とかの写真は大丈夫らしい。」
という意見も出た。
文字読めない、写真なんかのイメージだと頭に入るけどっていうの、あるんだ。面白い~。

学生時代、勉強するときも映像とか文字を頭に刻んで覚えてきた。暗記物は特にそうで、教科書丸ごと映像で転写する感覚。頭の中で教科書めくって読む。時にはページ数ごと覚えてたりする。頭に活字が浮かびながら考え事するのは、子供の頃から本を読むのが好きだったせいもあるのかなと思う。

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手元に読む活字がないと、なんかバランス悪い。
で、出張前に本屋で物色したら、なにやら面白そうな本があったのでお買い上げ。
 「メシを食う」と言っても美味しい生活のことじゃなくて、パリでメシを食うために生活している人たちへのインタビューをとおしたエッセイ本。
読んでみたら引き込まれた。こういう本、好きです。昨日ちょっと飲みすぎちゃったよなー、な頭で読んで思わず涙ぐんじゃったり。 それもトイレで(笑)。

ヨーヨーアーティスト、漫画喫茶店を開いた起業家、カメラマン、国連職員、鍼灸師、花屋さんなどなど、それぞれがパリという街に流れてきてメシを食べている。メシを食うために働いている。その生きている断面が生でまだ温かく息づいている。筆者の思うところも交えながら書かれたその文章を通して、パリっていう街は古くて新しくて意地悪で親切で汚くて美しい、懐の深い街なんだなと感じた。そんな街でメシを食っている日本人も繊細でたくましい。今、生きている人たちなんだな。そして不思議なことに、トラブルをチャンスにできる人たちだ。
彼らを言う川内さんの言葉はとても優しい。


パリでメシを食う。

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