2010年11月22日月曜日

ラブ・イズ・ザ・ベスト

アンダンテさんとこの記事でロボコンやってるんだなあと懐かしく思い(私のいた高専も優勝したことがある)、NHKで偶然予告をみたら..。おや、学校名がちがう。ネットで調べてみたら統合されて学科名も全然違う名前になってた。時代を感じるなあ。ところでお世話になった先生は..あ、まだ教えていらっしゃる。懐かしい。

その時期、理性あってこその人間よね、と思っていた頃ですが、今はだいぶ違う。理性で制御するのも好きだけど、何が一番好きなのか大事なのかの直感(もちろん経験からくる直感でもある)で判断することも大事にするようになってきた。
若い頃から自分って変わってないなと思ったけれどやはり変化してるのだ。日々ちょっとずつ静的に、だからあんまり分からないけれど。


佐野洋子さんの「ラブ・イズ・ベスト」は「役に立たない日」と比べると、みずみずしくて繊細なエッセイ。今とはちょっと時代感も違うけど、だからなのか心も潤う。特に子供に対する目線に共感。最近再読した。


佐野さんの友達の息子が、一時荒れていた時期の話(佐野さんの息子アキラ、は佐野さんの息子ゲンと友達)。息子たちの話を母親たちがしているのにこんなのがあった。
「この間ね。ばかに機嫌がいいときがあってね。俺生涯に三回泣くって。一度は、私が死んだときなんだって。一度はゲンが死んだときだって。あいつは生涯の友達だからって。もう一回は自分の子供が生まれた時だって。」
「自分の子供が生まれたとき」というのを聞いたとき、私は泪がだらだら出てきた。
「アキラはあなたのこと憎んでなんかないじゃない。アキラは一番大事なこと全部分かってるじゃない。

ってこんな文章を読んでも10代では「へ」とも思わなかったが、子供を持った40代の今は違う。
子供がお腹にいた時の幸福感を知っているし、子供が生まれた時の、ちゃんと目や口があって指は5本あることがこんなにありがたいことなのかと思ったことを知っている。
経験って自分自身や価値観を変えるんだな、”自分はこれからもこの先も自分よ”と考えていた時期には、そんなことも受け入れられなかった。
「ラブ・イズ・ザ・ベスト」なんてタイトル恥ずかしくて手にも取れなかったかもね。

ほっこりと再読しました。


ラブ・イズ・ザ・ベスト
















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Gさんが用事で一足早く帰ってしまったので、せっかく休みを取ったし一人で映画を見る、というのを久しぶりにやった。皮肉にもいい夫婦の日だ。
小さな村の小さなダンサー」はオーストラリアでベストセラーとなったリー・ツンシンの自伝を映画化したもので、中国の貧しい村出身の少年のいわゆるサクセスストーリー。
私はバレエについての知識はほとんどなくて、漫画の有吉京子の「SWAN」、山岸涼子「テレプシコーラ」あたりを読み、ローザンヌバレエコンクールをNHKで見、娘のお友達の発表会を見に行くとかその程度。
けれども中国共産党体制下でバレエを自由に踊ることの難しさ、自由の国への憧れ、そして息をのむほどの美しい身体でのバレエに、やはりひきつけられる。(リー役はバーミンガム・ロイヤル・バレエのプリンシパルであるツァオ・チーだそうだ) リーは結局アメリカへ亡命し、バレエはドンキ、白鳥の湖の古典から、モダンの「春の祭典」へと向かう。中国も共産党体制下の厳しい統制から、毛沢東の死後何年かたってストランビンスキーの「春の祭典」の上演時にリーの父母もアメリカへ来ることができた。そのバレエとクロスする時間の流れもとても興味深かった。

ここでもリーの父母たちの愛を感じました。

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