2010年11月23日火曜日

職人の技


休日なのに5時15分起き...(-_-;)。うちは農家かい。

部活に出かける娘を起こし、一緒にご飯を食べ、そして送り出し、ゴミだし、洗濯、掃除機がけ、雑巾がけ、洗濯ものをたたみ、生協の注文をすませ、アイロンをかけ、9時半。
意外にも発表会の失敗のダメージが深く、コントラバス練習は今日までお休みだい、ってな気持ち。
世の中はお休みですよ、私なんか4連休なのに~。家の中は誰もいません。

思い立って出かけました。
私の音楽と読書以外の趣味を一人で実行すると、なんだか家族からヒンシュクっぽいんですけど、
一人しかいないんだもん、いーじゃん、と、はじめに防衛バリア。
(でもメモりたいからね、メモしておく)


電話したら、「お席まだあいてますよ。」と言われて、正午、イイダさんのお店に。

レバーのサラダと、豆のズッパ。

「ワインをきっちり合わせてください。」とお願いしたら、
「一杯だけ、がつんとしたのがあります。」「じゃそれで。」即答。

出てきた白ワインを一口、口に含み、...至福です。血管を幸せエキスが瞬時に浸透していく。
バランスもいいけど、なんというか質がいいっていう味なんですよ。大事に大事に作られたワイン。
なんて表現したらいいんだろう。雑味がない上澄みのエキスを飲んでいるような。
そして香りがすばらしくいい。

「これ、いいでしょう。私は飲んだ時、ショックを受けましたよ。こんな味ないですよ。これね、イタリアじゃないんです。ギリシャのワインなんです。樹齢80年の葡萄から作られてます。」
「はい~。こういう味ってごく普通っぽいですけど、無いですね、香りがほんとすばらしくいいです!」
お野菜にも、パンにも、オリーブオイルにも合う。
くんくんとずっと香りをかいでました(ヘン?)

さて、レバーには、 ん?
「えっとー。レバーの鉄っぽい味とちょっとずれる感じですね。」
「あ、そうなんですよ、分かります。ではレバーにあわせますか?」「はいお願いします。」即答。
「どんなのかいいですか?」「あまりがつんじゃないのでお願いします。」「了解です。」
で、出されたのが、テーブルワイン。
「レバーに、ぴしっと入りますよ。飲んでみれば分かります。モンタルチーノのワインです。
ブルネッロだと高いですけどテーブルワインですから。でもとてもいいワインです。」

一口のんで、レバー口に含んであわせてみたら、声にならない。
ぴしーっと入りますよ、の意味がこの時自分の体を通して了解されました。

言葉が出ない、私のこれまた至福の表情(笑いが止まらない)を見て、イイダさん、笑顔の一言。

「これがお仕事なんで。すみません。」

ソムリエというお仕事は人に幸福を与える仕事だな、と改めて思いました。
高いワインじゃなくて、好きな味とかお料理に合うとか気分とか天気とか、そしてお財布の軽さとか、そんなことがぴったり合う提案をする、ほんと職人技ですね。

もちろん自分のお店を経営するからには営業上の苦労とか、人対人のサービス業だしいろいろご苦労もあると思うけれど、少なくとも私はこの短い間にお料理とともに幸せをいただいています。
こんなひとりの時間を持てる贅沢を味わっている。(家族の皆さんありがとう!すごくお安く済みましたのでご心配なきよう。)

お値段は非常にリーズナブル。
要は料理とワイン(そして温度)の相性だよな~。
お店の畑で育てたお野菜もきちんと味を主張していました。

ちなみにお店は本日も満席でした。


[ヴァン・ド・ターヴル・エフラノール2008]
品種:Mantzavrata(マンツァヴラタ)産のモスカトラ70%,Kechrion(ケヒロン)産のヴロスティリディ30%
樹齢:ヴロスティリディ(80年)、モスカトラ(50年) いずれもフラン・ピエ
収穫量:32hl/ha (1株1.8kg)
植密度:2800-3000株/ha
仕立て:ゴブレ式(短梢剪定)
土壌:丘の上にある小石混じりの砂質、地下は石灰質、チョーク、粘土質
熟成:タンクで6ヶ月
栽培方法:ビオロジック栽培



○ドメーヌ・スクラヴォス
ケファロニア島の西部の一角にある半島に、ヴラヴィ・スクラヴォスは小さなドメーヌ4,5ヘクタールの畑を所有し、2~3ヘクタールの畑を借りている。ブドウ畑は、スキニアス村とリキシィミ村の間にあり、リキシィミ村にカーヴがある。スキニアス村にあるモナブレスと呼ばれる素晴らしい畑には、ゴブレ式の樹齢50年になるフラン・ド・ピエのマヴロダフネが栽培されている。また、リキシィミ村にあるケシュリオンと呼ばれる畑には、フラン・ド・ピエのマヴロダフネ(赤ワイン用)と、樹齢80年のヴロスティリディ(白ワイン用)が栽培されている。これらのすばらしいブドウ畑は、真の情熱とともに、人工的なものを一切使わずに耕されている。大変<自然>なやり方(ビオディナミ)で、偉大な独特のワインを産み出し、見事な個性がある。
【Rouge et Blanc(特集記事)】





[Vino da Tabola Rosso VERBENA]
スカナ、モンタルチーノの地酒ヴェルベーナ。
2007年物だが テ-ブルワイン格なので ヴィンテージ無記載。
しっかりした味わい。










こうやってメモっているけれど、ワインの種類とか名まえとか、全然覚えられない。




2 件のコメント:

  1. まさしく至福の時ですね・・・。
    記事を読みながら、イイダさんの口調と軽快なやりとりを思い出しました。ああ、また行きたいです。
    私、お酒の記事に反応してる?笑
    ↓発表会にも行ってみたかったです^^

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  2. rico さま。

    >ああ、また行きたいです。
    ぜひぜひ。

    発表会、案内すればよかったですね。
    ココロに余裕が無かったものでつい...
    ジャズに興味がありましたら(私は多分ジャズじゃないですけど)来年でも。

    その前にお酒でも(笑)。

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