2010年11月9日火曜日

自立の思想的拠点

先日、、娘は久しぶりに小学校のときの友達と会っておしゃべりをしたらい。
楽しそうな様子であった。
母が、「で、友達の様子はどうよ?」と聞いたら

「学校(公立)も部活もつまんないって言ってた。
ママのいう内申点うんぬんっていう話は全くなかったよ、なにそれって感じ。でもみんな塾通ってるらしい。」

ということであった。と、同時に、

「なんか私立ってイモいよね、ぬるいっていうか、そういうところがさ、わたしゃキライなんだよ。」

と、あっさり言うので、(ちなみにイモいってどういう意味?使い方間違ってないかね?)

「なにを!!」

と、母は大人気なくムっとする。

だって、キミはもう喉元過ぎればなんとやらかもしんないけど、受験ってしんどかったんですよ。お金もかかったし。キミもがんばったけど母もしんどかった。もうあの一年は尋常じゃないんですもん。それを、自分ひとりで学校入ったかのように「ぬるいところがキライ」とかいわれてもねえ。(母のがんばりについても気遣ってよ、とかいうのはオレ様な娘には無理なお願い、かつ母の身勝手思いではあるのも分かってますがね。)
第一、ぬるいってなにさ、学生の本分である成績はさっぱりじゃないか。

..とまあ、その時は、くわっと思ったのだが。

戦いというか競争というかしんどいとかという環境にいる友達と比べて、自分が生ぬるい場所にいるなという焦燥感とういうのは母も覚えがあるぞ。やはり血なのか(げげ。そんなところは似るなよ)。しかしながら、母の場合はこのまま行くと方向が決まってしまうっていう焦りも加わっていたわけで。キミの場合は、そこの場所でのがんばり次第で、この先どうとでもなるわけでね。成績は決してぬるくないというか厳しいところで転げ落ちそうになってるわけだからそっち方向に焦りなよ。

あんた、まだ目がひらいてないんじゃないか?言い訳だったり逃げだったりしてないか?
(ちなみに母のことはもうイイのだ。将来ある若人にだから言うのだぞ、うん。)


そして数日たってみたら、「ウチの学校ってさ、居心地いいんだよね。」に変わっておった。

「なんで?」

「んー、いじめとかがないっていうか、みんないじめなんかに興味がないっていうか、
みんな好きなことやってそれが普通っていうか...。そういうの居心地いいんだよね。
でもさあ、ほんとデキる子だったら、公立行ってばりっと勉強して競争して高校受験に向けていい成績とろうとがんばるほうが伸びるのかもねえ。こんなに居心地いい学校にいてさあ...、まあ居心地いいんだけどさー。」

ほっこりと言う。

「そうねえ、あんたはどっちが向いていたか、今となっては分からんね。」

思春期に躓いたり疑問をもったり受験勉強したりいろいろ悩んほうが、向いてる子もいるよね。居心地いいっていうのは、自分の考えとは関係ない(自分にとって不必要なというか回り道的な)必要性に駆り立てられなくすむ。しかし一方でいろいろなものに興味を持てる時間はあるけれど自分で動かないと、そのまま止まってしまったり埋まってしまうっていうリスクも確かにある。
自立しないとこの居心地いい場は活かせないんじゃないだろうか。

娘は人付き合いが下手なほうではないので、公立へ行ったらいったでうまくやっていけるかもしれないし、違った楽しみをみつけるかもしれないね。ふたつ同時に経験するのは無理だし母には分かんないや。

でも、たとえば高校受験するとしたら。思春期でもう手に負えなくなった(←決め付けてる)娘の受験につきあう場合を想像してみると、母の気力体力が持たないような気がする。
そして母の知らない私立の世界もみてみたかったし(←おい?)、まだ小学校時代の素直さが残っているキミとなら二人三脚はまだ可能だと思ったし、きっといい思い出になるっていうかさ。(←おい、思い出かい!)

ぺらぺらして自分で立てない形状のものは、ある程度向かい風とか流体抵抗がないと倒れちゃうんだよ。相手の力を利用できない無風状態で自立する(進む)ほうが難しい場合もあるんだよ。自分で進む原動力をつくらないといけないからさ。母とは違って、キミのその場所からはまだどの方向にも可能性があるんだからさ、まず自分で立ちなさいよね。(こっちもよっぽど難しいよ。)


じゃあまずは自分の部屋にお風呂出て使ったバスタオルを溜め込むのをやめなさいよ。
そして次は部屋の掃除だよ!
ノートと教科書を置くスペースを空けた机で勉強しなさいよ。くわっ。
(最近、「しなさいよ!」っていうイントネーションをチャイがまねるんですよ。さすがオウム科ですな。)

母のもやもやは、母と娘の関係が続く限り続くんだろうなあ...。
一言ひとこと引っかかってしまうよね、お互い。


ちなみに吉本隆明は読んだことないです。

2 件のコメント:

  1. 生ぬるい場所にいるという感覚があるだけよいのかも。
    我が家はどっぷりぬるま湯に浸かって、それに気づいて
    いないようですが・・・。
    掃除も勉強も・・・もやもやしますが言うのをやめましたよ。
    ↓チーズのにおい、息子は「部室のにおい」って言います(!)

    返信削除
  2. ricoさま。

    >掃除も勉強も・・・もやもやしますが言うのをやめましたよ。

    くくく。私もこれができたなら!
    どんなにすっきりするでしょう。

    どうも、自分の子供の頃を見ているようで、目が離せないんですよね~。
    子離れの日はいつ来るのでしょうか。

    >チーズのにおい、息子は「部室のにおい」って言います(!)

    おお、素敵な息子さんですね!
    チーズの匂いを解せる男の子って素敵です。
    ウォッシュとジビエのおいしい季節になりますねえ..。

    返信削除