2013年3月3日日曜日

横道世之介

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嘘をつくのは面倒なので、つかないことにしているが、
必要のないことは言わないってことは時々ある。
ひとりで食べに(飲みに)行っちゃったことなんかは、言わなくてもいいかとか思ったりもするけど
でもその時に聞いた面白い話を結局はシェアしたくなる。
今朝も、「あのさ、昨日の夜は一人だったからつい...」と言いかけたら
「イイダさんとこ行ったんでしょう。」とGさん。

えー、何で知ってるのさ。

「ボクのFBに書いてあったよ、奥様がいらっしゃいましたって。」
ああ、そういえば昨日、GさんのFB教えちゃったんだよね、
今度から一人で飲みに行ったりた時、わざわざ言わなくても丸分りですがな。

「あーそー。でさ、酸化防止剤の話なんだけどさ...。」と、話しはじめる。

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映画『横道世之介』は娘と待ち合わせで。
原作は読まずあらすじも知らずチラシ一枚読んで懐かしい気持ちに浸りたくて、見る。

1987年は私の学生時代よりちょっとだけ前で、
スクリーンに映し出されるそれらがほんと懐かしい。
世之介は普通過ぎるっていう設定だけど、あんな人はなかなかいない。
(賢ければ打算的に、裏表がなければ芯が通っていない、いい人で毒もなくて面白くない..
ここはひつじの群れか、とか、高慢で若かった私は思ってたし)
そんなやついないだろう的な人が登場するのが映画ならではの醍醐味なのだ。

長崎から上京してきた彼の大学一年間と、彼とかかわった人たちの16年後のまなざし。
そして途中で打ち込まれる楔。
もし一人で見に行って、聞き逃したら、展開が分らなくなるかもしれないのに。

160分という長丁場の映画に、朝からコーヒーや水分は控えめにしておいた(トイレ対応)けれど、
眠くなることやトイレのことなんか忘れるくらい引き込まれた。
きっちりと計算された構造の中に
1980年代後半の空気ごと押し込まれてる。

大学時代の恋愛や、友人たち。
卒業後は新しい生活でいっぱいになって疎遠になったりもする。
映画でも彼らの卒業後にどんなことがあったのかははっきりとは描かれていないけれど
たぶん、年を経るほどに、見る人の経験が物語の隙間をつなぎ合わせていく。

娘と、「映画、よかったね。」

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