2012年1月21日土曜日

世界大不況からの脱出-なぜ恐慌型経済は広がったのか

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経済モデルってどんなふうにして作るのかに興味を持ったものの、教科書は高いし読むのを挫折したらもったいないので、まずは解説本から。1930年ごろからの世界の経済、世界恐慌について、それらがどのようにして起こったのか、が素人の私にも分りやすく書いてあり、とても興味深く読めた。

1997年のアジアの経済危機。これまでもアメリカをはじめとする恐慌を見てきたアジアがなぜ危機に陥ったのかについて、クルーグマン教授が言う。
アジア諸国の経済には事実、欠点があった。けれどもその最大のものは、事故拡大するパニックに対して脆弱だったということだ。
そのほかの事例を読んでも、人間の心理面の動きや、パニック、その連鎖が経済に及ぼす影響は大きいことが分る。行動経済学という分野もあるそうだ。(どうやってモデルを作っていくのか、やはり気になるところ...。) 経済ってモノの需要と供給の、即物的なイメージがあったけれど、マクロ人間学なのだ。

生産能力があっても消費の弱さがある現在の世界は今、短期的には経済危機から経済危機への綱渡りをしている。そこから抜け出すために政策決定者のすることは、信用フローの回復と消費の喚起 だと言う。


世界大不況からの脱出-なぜ恐慌型経済は広がったのか


1930年代初頭、アメリカの銀行取り付け騒ぎ。1980年代末、日本の不動産バブル崩壊。1990年代後半、アジア通貨危機、そして日本が陥った「流動 性の罠」―。すべての「総和」である、目下の世界大不況を突破する術とは?世界が注目するノーベル賞経済学者が、今回の危機を予言した1999年の快著 『世界大不況への警告』に、2000年以降の最新情勢について大幅に加筆。克明な検証を加えて放つ、待望の改訂増補版。(amazonより)




気になって統計資料を調べてみた...。日本は一人当たりの実質GDPは主要国では低いけれど、労働者一人当たりのGDPはもっとも高い。供給する力はあるということだ。ただし、対世界でみると新興国のGDPの伸びは大きい。新興国は市場としてだけでなく供給する工場となっている。
私たちはこれから、どのようにではなくて、何を作っていくのか?というフェーズにあるのか。
経済が回っていくためには、ヒトはモノやサービスを買い続けなければいけないのか。

もうちょっとゆるやかな消費で暮らせるってゆーのはないのかなあ。のほほんと。


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