2011年8月2日火曜日

精神の生態学

過ごしやすい日が続いていて、
閉めた家の中ではチャイが暑くて死んじゃうんじゃないか、って心配しなくてもいいのがうれしい。

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第一拘束:仕事は効率良く定量的効果をあげなければいけない
第二拘束:仕事をしてる状態に保つことを常に禁止する

この状態を同じ人物から同時に要求された瞬間、仕事をする気がまるっと失せた。
なんだかな、こういう状態について、何かで読んだ覚えがあるぞと、頭の中をごそごそとあさった。
これってダブルバインドか。



人間精神におけるダブルバインド(二重拘束)状態:
生物の間で交わされるメッセージには複数のレベルが存在することをラッセルのパラドックスなどを通してベイトソンは明らかにした。そして、互いに背き合う二つのメッセージを受信したために、本来は理解できるはずのメタコミュニケーションの本質が覆い隠されてしまう心理状態のことダブルバインド状態、とした。

1. 2人以上の人間の間(支配者と被支配者)の状態である。

2. 繰り返し経験される。
      ダブル・バインドの構造が習慣的な期待となるような、繰り返される経験である。

3. 最初に否定的な命令=メッセージが出される。(第一次禁令)
「何々の事をするな、さもなければあなたを罰する」
あるいは
「もし何々のことをしなければ、あなたを罰する」

4. 次にそれとは矛盾する第二次の禁止(=メタメッセージ)が、異なるレベルで出される。
これは3に比べて記述することが難しい。その理由としては、以下がある
(1)この禁令は普通非言語的手段(ポーズ、ジェスチャー、声の調子、意味深長な動作、
表面上の言葉に隠された含意)によってに伝えられる。
(2)第二次の禁令は第一次の禁止のどの要素にも衝突する。

5. この矛盾する事態から逃げ出してはならない(第三次禁令)。

6. ついにこのような矛盾した形世界が成立しているとして全体をみるようになる。
犠牲者が自らの世界がダブル・バインドのパターンのうちにあるのだと知覚するようになったときには、
これまで述べてきた構成因子が完全にそろう必要はもはや無い。


精神の生態学(ベイトソ ン)』が家にあって、それを思い出したのだ。
このダブルバインドは、児童虐待、親子関係(例えば、親が子供に、自立しなさい/親の言うことなんだから聞け、を両方発信するとか)、セールス、恋愛などの状態についても適用(説明?)できる。被支配者の対処法としては、動かない、支配者から逃げる(しかし5によって禁止されている)しかないらしい。この状態が続き、行き過ぎると被支配者は統合失調症となる場合がある。

ああ、私も親としてはダブルバインドにおける支配者かもなー、などと思い当たり、自戒の念ももくもくとわき上がる。


開発のスピードは速まる(仕事量も増え、効率良く、目に見える効果を必要とされる)のに対して、
節電・安全・セキュリティの面から、仕事をしている状態(データや資料やモノが出してある状態)にしてはいけないという管理が常に徹底される。そして私はきっちりもモノを整えるのが苦手だ。
しかしあまりにも重箱の隅をつつくような管理に「仕事してほしいんですか?してほしくないんですか?」と。かつ、この状態からは逃げられません、である。

でもまあとにかく、状況の説明が自分なりにできれるだけで、もやもやが薄らぐのだ。よし、自分の状況が分って非常にすっきりした、と、思ったところに、更なる第二拘束を言い渡され、あまりにもやる気が失せてしまって、「今日はもう帰ります。 」となって帰ってきた。

なんか、世知辛いよなあ。 のどかに仕事ができた頃が懐かしい。
ああ、わたしゃ飲み屋で愚痴をこぼすおじさんみたいだ。

2 件のコメント:

  1. お察しします。こちらも基本的にまったく同様の状況ですが、仕事の性質上、あらかたパソコンの中に納まってますので、まとまりはいいです。

    でもパソコンひとつでも、起動パスワード、ハードディスクパスワード、ディスク暗号化のパスワード、Windowsパスワードと四重ですわ。覚えきれないので、シールに書いて貼りたくなっちゃいますね(爆)

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  2. アンダンテ さま。

    いまどき、どこでも同じなんでしょうねえ。

    管理の締め付けが厳しくなるほど、情報は下にもぐってしまうのになあ、と思ってみても管理するほうも大変なのでしょう。
    ルールはルールとして、運用するのも解釈するのも人間なんだから、そこのところ人間らしい解釈とか運用とかをして欲しいものです。

    私の場合は仕事上、マシンのほかに測定器類がごっそりとあって、もうやになっちゃいます。
    セキュリティの厳しい敷地内の、さらにセキュリティエリアの中に入り、鍵のかかる実験室で、さらに鍵付ケースにしまえって...
    あの、最後の鍵はどうやって保管するんすか?

    もう笑い話ですね。

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