2011年2月8日火曜日

オケ老人!

このカバーデザインのような話である。
ちょっとサイケデリック(おもに老人のみなさま方のやりとり)で、
鮮やかな色彩の細かな話が交差する一枚の絵。

アンダンテさんのレビューを読んで、
もう買うしかないでしょと夜中にポチっとしちゃったんですが、はい、一気読みです。
老人たちのゆるゆる音楽性オケ”ウメキョー”と
そのウメキョーから独立した競争による技術志向の”梅フィル”。
彼らの音楽を軸に恋とお笑いと陰謀が渦巻く、まさにカバーデザインのようなミステリー(?)です。
雰囲気、初期の清水義範のようなテンポのよさです。

私も学生時代、少しオケもやっていて(FgとHr)、定演は2回ばかり出ています。
そのオケは学外やら社会人の方も参加していて、定演にはトラさんもたくさんでしたねえ。
管楽器の密度にはない弦楽器の響き、倍音が舞い上がるようなあの空気感は、格別です。
倍音たくさんの響きの中に管楽器の音を置くのはとても気持ちいいんです。


さて本書、あらすじはamazonなどて追っていただくとして、
私は電車で涙腺緩んじゃったんですよね。
野々村のじーさんが、病気のためにバイオリンも指揮もできなくなってしまった時言うんです。
「やりたいけどできんのです。先生はできるのにやらんと言う。
・・(中略)・・今のうちですて。今やらんかったら、後できっとしもうたと思いますぞ。」

私もそう思いますぞ。
何事もはじめるのに遅すぎることはないけれども、終わりはいつやってくるか分からない。
やりたい時が始め時、まずはやってみよう、私もそう思ってますのじゃ。
できるのにやらないと言う先生を見て、野々村さんの悔しい思いに、ベタに打たれた。

ベタな感動、でもベタさの中に本質もあるんだと思う。



オケ老人!

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