2013年8月17日土曜日

■■■
最強のクライマーとの呼び声も高い山野井泰史。世界的名声を得ながら、ストイックなほど厳しい登山を続けている彼が選んだのは、ヒマラヤの難峰ギャチュン カンだった。だが彼は、妻とともにその美しい氷壁に挑み始めたとき、二人を待ち受ける壮絶な闘いの結末を知るはずもなかった――。絶望的状況下、究極の選 択。鮮かに浮かび上がる奇跡の登山行と人間の絆、ノンフィクションの極北。
とある。
沢木耕太郎の「深夜特急」は全巻読んでいる。読むのをやめられないほど面白かった。
その沢木耕太郎が、極限状態をどう書くのか、読まずにはいられない。

+++
やはり一気読み。
二人とも無事に帰って来ていることは分っているのだけど、
ちゃんと帰ってくると分るまで読むのをやめられない。

夫妻はこの山登りで多くの指を失う。それでも今でも登ることをやめていない。
私は山登りはしない(運動自体をしない)ので、山を命がけで登る人の気持ちは分らない。
でもあれかな、車谷長吉さんがどこかで「人間はどん底を味わってからはじめて生きるのです。」みたいなことを書いていたけど、死を垣間見ることで生を強く思うことが出来るのだろうか。
メメント・モリ。

私にしても、目的を持ってほどほどの向かい風に向かっていた時、確かに充実感を感じた。
今は臨戦態勢解除。今のほっこり生活がいい、と思うようになっているけど。
きっと私は生きてることを強く感じなくても生きていける種類の人間なのだ。(少しは実感したいけど)

沢木耕太郎は後記で、「凍」は「闘」にもつながる、と書いている。


2 件のコメント:

  1. 私も、なんのめりはりもない日常で十分「生きてる幸せ」を感じることができますので(^^;;
    一生一度も「登山」というほどのものはしないと思われますが、でもその本読んでみたいです。

    よかったら25日に持ってきて貸してください(^^)

    返信削除
    返信
    1. アンダンテさま。

      >よかったら25日に持ってきて貸してください(^^)
      はいはーい。
      忘れないようにしなくては。

      削除