2011年9月22日木曜日

ヴァギナ 女性器の文化史

原題は「The Story of V: Opening Pandora's Box (Vの物語 パンドラの箱を開く)」。なのに、何故「ヴァギナ 女性器の文化史」になっちゃうんだろう。なかなか外では読みにくいのである。
500ページ弱の本、他の本も平行読みしながらやっと読了。

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私はヒトのことについて書かれた本が好きで結構読む。
ヒトの進化、ヒトのエネルギー製造プロセス、ヒトの認知プロセス、ヒトの心、ヒトの歴史、ヒトから見た世界の確認のしかた、みたいな。生殖器や生殖のプロセスは、ちょうど心とメカニカルなシステムが交差するあたりで、とても面白いのだ。

本書では、女性器について、その歴史的な扱われ方、言われ方、動物・昆虫の生殖システム、女性器の形状、分泌物、匂いなどなど、さまざまな角度からのアプローチがある。読み終わる頃には、その器官としての精巧さを再認識する。
私が特に面白いと思ったのは、動物や昆虫ではメスの生殖システムが、どのオスを選ぶかだけでなく蓄えておいたどの精子を使うかまで選択しているという点だ。女性側の生殖システムが選択権を持つのだ。
男性は少なくても女性が大勢いれば種としてつながっていけるのか、と思っていたのだが、種の多様性を維持するためには、多くの男性が必要なのだ。女性が選び、またなるべく多くの、そしてなるべく自分のMHCと遠い男性の子孫を残したがる傾向にあるというらしい。へ~~。
(MHC;主要組織適合遺伝子複合体。免疫反応に必要な多くのタンパクの遺伝子情報を含む大きな遺伝子領域)

全体的に、”すばらしい女性の”という形容が充満していて、その部分だけはちょっと飽きちゃう。




ヴァギナ 女性器の文化史

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