2011年1月16日日曜日

スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン

私はアップルな人ではなく、もちろんマックな人でもないのですが。
ジョブズの驚異的なプレゼンのことはニュースにもなっているしYouTubeでも見ている。

仕事で必要な技術系プレゼンでは、データの説明や原理の解説が多くて、パワポの資料はそのまま配布資料にもなるため、製品発表のようなプレゼンとはスタイルが違う。

けれど気になっていたわけです。人を説得する、納得させる、魅了するプレゼンというやつが。

知り合いのエンジニアが米スタンフォードに(会社から)留学することになった時に聞いた話。
「製品設計に関する技術や、研究開発は大事だしも楽しいけれど、やりたい技術にお金を出してもらうためには、”上の人”を説得し納得してもらわなければいけないんです。それで2年間ぐらいずっとプレゼンの勉強をしていたことあるんですよ。」
彼の研究している内容は、「その手法、パクリたい」くらいとても魅力的で、その目の付け所がとってもユニークだった。帰国してからの研究内容の報告も非常にユニーク。説明のしかたが、うまいんです。
それ以来プレゼン技術というやつに、ずっと興味があったというわけです。
で、この”脅威のプレゼン”というタイトルを見て気になり、ずっと”お買い物かご”に入っていたのを、この度、クリックしました。

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本書は、ジョブズの伝説的なプレゼンの数々を分析し解説する本。大事なポイントはそう多くなく、事例によって解説が補強されている。
技術的な発表にもそのエッセンスは使えると思う。

 --(メモ)-----------------------------
・ツイッターのようなヘッドライン。シンプルにダレにでも分かる簡単な言葉で。
・特に問題提起(導入は)短いセンテンスで以下が分かるようにする。
①何をするのか
②どの問題を解決しようとするのか
③他とはどう違うのか
③なぜ気にかける必要があるのか。(「どのように」ではなく、「なぜ必要なのか」)
・説明する項目、ロードマップは、3つにまとめる。ほぼ必ず「3」。
・数字に意味をもたせる。 その数字は具体的にはどれほどなのか?
  iPodの5GB→ポケットに1000曲。
  アップルのシェア5%
  →自動車業界におけるBMWやメルセデスよりも大きい。シェアが小さくて不利だということはない。
・以下のタイプの人すべてに対してコミュニケーションする。
目により吸収するタイプ(40%) ビジュアルに訴える。
耳により吸収するタイプの人(20~30%) 話し方、話すスピード
体験により吸収するタイプの人(のこり) デモなど。
・最も大事なことは、伝えたいことを自信と情熱を持って説明すること。
・(圧倒的に)練習する。
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ジョブズの基調講演というものはジョブズ本人とアップル社により周到に準備され、またジョブズ本人の情熱と圧倒的な練習量が支えているとある。それが無ければプレゼン資料作成技術は何の役にも立たないのだ。本書ではプレゼンされたものを解説(結果の解説)する本であるが、これを読むと、なぜ人々の熱狂的な高揚感をもたらすか(その要因はジョブズ本人によるところが大きいのか、アップルファンの傾向なのか、プレゼン技術なのか)、その深いところの人間の心理や、その講演までの舞台裏についてもについても、知りたくなってしまう。
..それはまた別の本なのね。
数々のプレゼンは、今はネットで見られますが、2005年のスタンフォー ド大学の卒業式で行ったスピーチを聞くと、学生と一緒に拍手したくなります。


スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則

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